1968年から1969年にかけて『週刊少年サンデー』に連載され、その後『朝日小学生新聞』での連載やアニメ化など各種メディアに展開された。 藤子・F・不二雄は「これまで日常の舞台にオバケやスーパーマンなどの「非日常」が入り込むことで生まれるギャップの面白さを描いてきたが、ひとつその逆をやってみようと思い、この21エモンを描きました。つまり未来という「非日常」を舞台に、今に通じる日常を描くことで新たな面白さが生まれると思ったからです」と、本作のコンセプトを後日述懐している。 藤子・F・不二雄が珍しく「楽しんで描いた」と語る作品だったが、連載当時は評価は芳しくなく、この当時の藤子作品は早々にテレビアニメ化されていたが本作は実現しなかった。 しかし、後年になるに従ってしだいに再評価されるようになり、1981年に映画化、さらに1991年にようやくテレビアニメ化された。 2010年、小学館発行の藤子・F・不二雄大全集のラインナップとして、全2巻で刊行された。2011年、アニメ版の全話がDVD化された。
映画ドラえもんの公表から製作された藤子・F・不二雄原作の「21エモン」の初アニメ作品。つづれ屋での騒動を描いた前半と宇宙冒険に繰り出す後半で構成され、全体的に原作の流れをコンパクトに纏めた作品である。ギャグタッチの物語が宇宙に飛び出すことで引き締まり、緊張感のある冒険物語に仕上がったことで、原作の持つ面白さがよく再現されている。本作はテレビアニメ化に対するパイロットフィルム的な意味合いも持たせてあったが、この時点では実現せず10年を要したため、独立した作品となった。併映の『ドラえもん』とリンクする場面が1カット入っている。
テレビシリーズの2年後という設定の中編作品で、 前半は『ローマの休日』をモチーフにした物語展開が、後半は『モジャ公』の「アステロイドラリー」をベースにした宇宙レース「銀河ラリー」が繰り広げられる。アニメ作品としては最初にDVD化された。